2008 Fiscal Year Annual Research Report
計測融合シミュレーション手法による航空ミッション安全性向上技術に関する研究
Project/Area Number |
07J11053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三坂 孝志 Tohoku University, 流体科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 数値流体力学 / ライダ(レーザーレーダ) / フライトデータ / データ同化 / 後方乱気流 / 晴天乱気流 / 4次元変分法 / ラージエディシミュレーション |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き,後方乱気流への計測融合シミュレーション手法の適用を行ってきた.この研究では電子航法研究所が仙台空港に設置している後方乱気流計測用ライダ(レーザーレーダ)の計測値を3次元ラージエディシミュレーションに融合し,実運行機が発生する後方乱気流を高精度な再現を試みている.ライダ計測値の同化には4次元変分法を適用した.ライダ計測値はレーザを鉛直方向に走査することによって得られる面データであることから,3次元的な翼端渦の構造を再現する方法としてボーガス渦法を適用した.この手法は数値気象予測において,台風の渦構造を作り出すために流れ場中に渦の速度プロファイルを仮定するといった目的で使用されている.本研究ではこのボーガス渦法を用いてデータ同化プロセス中に翼端渦の速度プロファイルを推定することにより,レーザ視線速度成分しか持たないライダ計測値に対してレーザに鉛直な速度成分を補うことができる.同化実験を行うことによってボーガス渦法によりライダ計測値から翼端渦の構造が再現されることを検証した.そして,構築した手法を仙台空港における実運行機の計測結果に適用した.試行したケースでは滑走路に対して横風があり,その状況下での翼端渦の移流を再現した.昨年度から課題としてあげられていた翼端渦の再現精度に関して,一断面のライダ計測値の同化はライダ計測値の質にもよるが,ロバストに行えるようになった.その後,渦の再現自由度を上げるために多断面同化を行ったが,一断面で行っていた手法をそのまま適用しただけでは渦の再現精度が十分ではないことを確認した.特にボーガス渦の定式化やパラメータの設定方法に関して,渦の表現自由度を確保しつつ,パラメータ推定がうまくいく方法が必要である.
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Research Products
(8 results)