2007 Fiscal Year Annual Research Report
Hモードプラズマの周辺輸送障壁部に生成した磁気島の周辺MHD安定性への影響の研究
Project/Area Number |
07J11072
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 文武 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 大型ヘリカル装置 / 周辺MHD不安定性 / 外部摂動磁場 / 周辺局在化モード / L-H遷移プラズマ / 高べータプラズマ |
Research Abstract |
本研究課題は、大型ヘリカル装置(LHD)の周辺輸送障壁を有するL-H遷移(遷移的に閉じ込めが改善する現象)プラズマ及び、高ベータ(磁気圧に対するプラズマ圧力の比が高い)プラズマにおける周辺MHD不安定性の特性とプラズマ閉じ込めへの影響に関する研究を推進し、以下の成果が得られた。 1.LHDプラズマ周辺部での静止磁気島の能動的生成による周辺MHD不安定性への影響 外部摂動磁場コイルに大きな電流を流すことによってプラズマ周辺部に共鳴ヘリカル摂動磁場を印加し、大きな静止磁気島をプラズマ周辺部に生成した時、静止磁気島近傍に共鳴面を持つ周辺MHD不安定性が強く励起されることを明らかにした。また、複数個の軟X線及び超軟X線検出器アレイをプラズマ横長及び縦長断面部の磁気井戸及び磁気丘領域の観測ができるように設置することで、大きな静止磁気島形成時にトーラスの対称軸に対して外側に強く局在化した周辺MHD不安定性を初めて観測した。この不安定性の内部構造は、バルーニング的な構造を示唆しており、ヘリカルプラズマでは初めて観測されたバルーニング不安定性の可能性がある。 2.周辺MHD不安定性によって駆動される周辺局在化モード(ELM)的振動の特性 ELMは、プラズマ対向壁及びダイバータ板への深刻な熱負荷を引き起こすことが懸念されており、その特性を調べることは制御/抑制するためにも重要課題である。LHDプラズマにおいて、ELM的振動の発生は抵抗性圧力駆動型インターチェンジモードによることが実験データから示唆され、ピーリング/バルーニング不安定性によって引き起こされるトカマクプラズマのELMとは明らかに異なることを示した。一方、中性粒子加熱入力(NBI)吸収電力の増大と伴にELMの発生する繰り返し周波数が増大し、そのELMパルスごとにプラズマ外へ放出される粒子・エネルギー損失束が減少する特性を示した。
|