2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
早瀬 純也 Kyushu University, 医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Par6BP |
Research Abstract |
Par6、atypical protein kinase C(aPKC)、Par3からなる3者複合体(Par complex)は、線虫から哺乳類に至る種々の細胞の極性形成に必須な蛋白質複合体である。Par6のCRIB-PDZ領域には、低分子量G蛋白質が結合し、細胞極性形成に必須の役割を果たすと考えられているが、Par6と低分子量G蛋白質との結合がどのように制御され、細胞極性形成に至るのかはよくわかっていない。本研究の目的は、我々が見出した蛋白質Par6BPを中心に、細胞極陛形成の分子メカニズムを解明することである。 平成20年度は、Par6BPの上皮細胞極性形成における役割の解析を、上皮細胞のモデルとして用いられる、イヌ腎上皮細胞由来のMDCK細胞を用いて行った。MDCK細胞の極性形成はtight junction(TJ)形成を指標として観察される。このTJ形成の観察には、TJマーカーであるZO-1の細胞染色法による観察、およびTJ形成に伴う電気抵抗値の変化を測定するtransepithelial electrical resistance(TER)測定法の二つの方法がよく用いられる。そこでこの2つの方法を用いて、Par6BPをknockdownしたMDCK細胞では極性形成に影響が出るかどうかを観察した。Par6BPをknockdownするMDCK細胞はcontrolのMDCK細胞に比べ、ZO-1の細胞染色法によりTJ形成が明らかに遅れることがわかった。また、Par6BPをknockdownするMDCK細胞はcontrolのMDCK細胞に比べ、TER値の立ち上がりが遅れ、さらにpeak値も低かった。これら二つの結果から、Par6BPはMDCK細胞の極性形成に必要であることがわかった。
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