2007 Fiscal Year Annual Research Report
広域土地利用を見据えた地方都市の中心部と効外部の土地利用誘導方策に関す研究
Project/Area Number |
07J11169
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 剛士 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 都市整備 / システム工学 |
Research Abstract |
平成19年度は、非線引きの県庁所在都市である山口県山口市と、それに隣接する線引き都市の防府市を含む都市圏を対象として、両都市の商業施設立地の動向とその関係性を明らかにすることを目的として研究を行った。まず、対象都市の都市計画法に基づく指定区域の面積、商業関連指標(既存商店数、延床面積、年間小売販売額)の変遷を整理し、防府市は、山口市と比べ商業が停滞していることを明らかにした。次に、昭和57年から平成17年までの建築確認申請から新築商業施設の立地に関するデータ(件数、立地時期、延床面積)を集計した。延べ床面積10,000m^2を超える大規模商業施設の立地が山口市では、準工業地域、用途白地地域に見られた。一方、防府市では、大規模商業施設は全て商業地域に立地していたが、準工業地域、市街地調整区域において1,000〜3,000m^2の複数の商業施設による合計床面積で10,000m^2を超える商業集積地が形成され、平成18年都市計画法改正の経緯を踏まえ、面積規模のみによる土地利用規制の課題を指摘した。さらに、消費吸収率の指標を用いて山口、防府都市圏の20年間の商業活動の変遷を整理した。両都市の各行政区について、特に消費吸収率の変化に特徴が見られた地区を抽出し、新築商業施設立地と用途地域指定との関係、既存商店数の推移、新築商業施設の集積状況を整理した。最後に、線引き都市と非線引き都市とが隣接する場合の中心市街地、郊外部それぞれにおける商業活動に与える影響を考察し、線引き制度の運用は、中心市街地に商業施設を集積させ、既存商業の衰退を抑制する一定の効果があると考えられるが、非線引き都市と隣接した場合、非線引き都市のミドルエリアと郊外部の大規模商業施設が立地した地区及び小中規模の商業施設が集積した地区に消費が流出する可能性があるという知見を得た。
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Research Products
(5 results)