2007 Fiscal Year Annual Research Report
Neuropilin1の翻訳後修飾によるVEGF反応性調節機構の解明
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07J11220
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
新谷 泰範 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 特別研究員PD
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Keywords | 翻訳後修飾 / 糖鎖 / リン酸化 / Neuropilin / VEGF |
Research Abstract |
申請者はVEGF受容体であるNeuropilin1(NRP1)の糖鎖修飾がVEGF感受性を調節することを見出し報告している(Shintani Y, et. al EMBO J 2006)。虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症へのVEGFの遺伝子治療は満足な結果が得られなかったが、その原因を申請者は病変部位での受容体側のVEGF感受性の低下にあるという仮説をたてている。NRP1の糖鎖修飾は血管内皮細胞と平滑筋細胞で異なり、反応性を規定することを報告したが、今年度は糖鎖修飾の意義を検討する過程で、NRP1の新規結合タンパクの同定に成功し、同定したリン酸化酵素とin vivo条件でタンパク複合体を形成すること、その複合体の形成が血管内皮細胞と平滑筋細胞で異なることを見出した。さらにそのリン酸化酵素によりにおいてin vitro条件のみならず、in vivo条件でもNRP1がリン酸化を受けることを発見している。現在は当該リン酸化酵素によるNRP1のリン酸化部位の同定を行っている段階である。今後はリン酸化部位の同定、さらにリン酸化特異的抗体の作成をおこない以下のような解析に役立ていきたいと思う。すなわち新たに発見したNRP1の新たな翻訳後修飾であるリン酸化の生理的意義、病態モデル動物でのリン酸化の動態、さらに糖鎖修飾との関連、両者の修飾によるVEGFR2受容体への影響、およびVEGF感受性への影響などである。
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