2008 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ上皮形態形成における短鎖ペプチドの機能
Project/Area Number |
07J11271
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
近藤 武史 National Institute for Basic Biology, 発生遺伝学研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 上皮形態形成 / 短鎖ペプチド / 転写制御 |
Research Abstract |
近年、数多くのshort ORFしか保持しない転写産物が同定されている。これらの多くは機能性RNAとして機能すると考えられているが、short ORFが非常に小さいペプチドをコードする可能性もある。いずれにせよ、これらshort ORF転写産物には生命現象を理解する上で重要な機能が存在することが期待される。 これまでに、ショウジョウバエにおける新規sORFペプチド遺伝子polished rice(pri)を同定しており、priがショウジョウバエ上皮構造の形成に必須であることを示していた。今年度は、PRIペプチドの機能解析を進めた。pri変異体では、trichome形成を誘導する転写因子shavenbabyの発現に変化は見られないが、Shavenbaby標的遺伝子の発現が消失することが明らかとなった。さらに、いくつかの形質転換系統を用いた実験により、priは上皮の突起構造trichomeの形成過程において、転写因子Shavenbabyの活性制御に必須であることが明らかとなった。つまりpriにコードされる11アミノ酸からなるペプチドは、タンパク質因子の活性を制御する因子として、発生過程において重要な機能を果たしている。また、trichome形成において、その形成を始めるためのスイッチとして働いていることが強く示唆された。
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Research Products
(3 results)