2008 Fiscal Year Annual Research Report
不定比複合酸化物をベースとした固体電解質の高温電気化学特性とその工学的応用
Project/Area Number |
07J11286
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 勇治 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化物イオン伝導 / 濃淡電池 / マグネシウム・アルミネートスピネル / 起電力 |
Research Abstract |
鋳鉄用Mgセンサーを開発することを目的として最終年度は普通鋳鉄(FC250)と球状化黒鉛鋳鉄(FCD450)中のMgの活量測定を試みた。Mgイオン伝導体であるMg_<0.8>Al_2O_<4-δ>を鋳鉄に直接浸漬する電池型のMgセンサーを構成した。標準極は空気を流すことで酸素とスピネルの表面との平衡を利用してMgの活量を制御した。測定極は鋳鉄であり、鋳鉄中のMgの活量を純Mgや球状化剤(Mg-Fe-Si-Ca)を添加することで変化させた。球状化黒鉛鋳鉄(FCD450)を用いた実験では電解質であるスピネル界面にCe-Ca-Si-Ti-O相が形成されており、再現ある起電力が得られなかった。一方、普通鋳鉄(FC250)では数千秒間、0.9〜1.2Vの安定した起電力が得られ、純Mgを添加した際200mVの起電力変化が観測された。しかしながら、その後Mgを添加しても起電力の著しい変化は見られなかった。測定後には炉内にMgOの粉末が大量に付着しており、鋳鉄中にはMgはほとんど溶解していないことがわかった。本研究から得られた起電力より普通鋳鉄中に溶け込んでいるMgの活量は1×10^<-5>〜5.3×10^<-6>であることがわかった。不定比マグネシウム・アルミネートスピネルをプローブとした鋳鉄中のMgセンサーを実用化するには鋳鉄中の不純物とスピネルとの反応を防ぐ必要がある。 本年度は鋳鉄以外の金属中のMgの活量測定を試みた。標準極は溶融Al-Mg合金、測定極は溶融Alとしてスピネルに生ずる起電力を測定した。測定極に純マグネシウムを添加しても著しい起電力の変化は見られなかった。これはAl内の酸素ポテンシャルが極めて低く、スピネルにMgイオンだけでなく電子伝導性が発現しているためであると考えられる。
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Research Products
(6 results)