2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの前駆現象から残光にいたる多波長同時観測実験
Project/Area Number |
07J11310
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
恩田 香織 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙物理 / ガンマ線バースト / X線 / ガンマ線 / 可視光 |
Research Abstract |
本研究課題では、ガンマ線バースト(GRB)を可視光やX線、ガンマ線を主とした多波長で観測し、その起源を解明する。今年度はまず一つは、すざく衛星とSwift衛星でGRBの初期放射を観測し、主に継続時間が長く放射エネルギー帯域が高エネルギーにまで及んでいるGRBについて着目した。数十秒〜数百秒の初期放射中のスペクトルを数秒ごとに観察し、スペクトルがどのように変化しているかを調査した。その結果、1つの放射機構のモデルでは説明できず、複数の放射機構が複雑に絡み合っていることが示唆された。また、これまで初期放射は非熱的な放射によって説明されるのが常であったが、熱的な成分が含まれているのではないかと推察できる。さらにはこれまでほとんど報告されなかったMeV以上の詳細なスペクトルにおいて、それ以下のスペクトルと違う振る舞いが存在する可能性がでてきた。これらの結果は国内外の学会や研究会で発表をおこなった。 もう一つは、開発に携わってきたSwift衛星の観測視野を常にモニターする可視光の望遠鏡の改良と観測をおこなった。これまでより更に暗い天体でも観測できるようにするため、望遠鏡のレンズの焦点距離を35mmから50mmに変更し、その分狭くなった視野を補うために、カメラを3台から4台に増やした。観測は毎晩全自動でおこなっている。
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Research Products
(6 results)