2008 Fiscal Year Annual Research Report
超対称SO(10)大統一模型に基づく様々な現象論的側面の研究
Project/Area Number |
07J11329
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
菊池 樹 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超対称性 / 大統一理論 / ヒグッスの物理 / ダークマター / 標準模型を超える物理 |
Research Abstract |
様々な観点から標準模型を超える物理の必要性が議論されてきた。標準模型を超える物理についての研究は現在の素粒子物理のもっとも重要な課題の一つである。私は標準模型を超える物理模型を、模型構築を中心に加速器実験での検証可能性なども含め、幅の広い研究を行ってきた。本年度の具体的な成果の概要を下記に示す。 1)Z-prime mediationという新しい超対称性の破れの機構とその現象論についての研究。 本研究で私は、近年提案された超対称性の破れの機構の1つである、Z-prime mediationについてB-LoriginのU(1)の場合に適応することを考え、その現象論的な帰結についての研究を行った。一般に、この機構においては、scalar massとgaugino massとの間に大きな階層性が生じ、非常に重いscalar massが予言されるが、私は、anomaly mediationによる超対称性の破れを組み合わせることで、両者のmassをともにTeV scaleに保ち、かつanomaly mediation模型におけるtachyonic slepton問題も解決するようなモデルを考え、その現象論的な帰結についての研究を行った。 2)大きなmagnetic momentを用いた右巻きニュートリノの生成機構とその現象論についての研究。 一般に、magnetic momentはその粒子の質量に比例するため、軽いニュートリノは大きなmagnetic momentを単純にはもちえないことが知られている。そこで、私は逆に考え、重い(TeV scaleの)右巻きニュートリノのmagnetic momentは大きく出うることに注目し、大きなmagnetic momentを利用した右巻きニュートリノのDrell-Yan生成について、生成断面積の評価を含めた研究を行った。
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Research Products
(8 results)