2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11333
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
丸山 圭介 University of Toyama, 理工学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | キンギョ / 摂食行動 / 神経ペプチド / ニューロメジンU / 脳室内投与 / 摂食抑制 / PCR法 / 神経内分泌 |
Research Abstract |
本研究は、魚類における摂食抑制機構の解明を目指し、キンギョにおける神経ペプチドと摂食行動との関連について研究を進めている。本年度は、新規摂食抑制ペプチドである可能性が示唆されるニューロメジンU(NMU)のcDNAを同定し、キンギョの摂食行動に及ぼすNMUの影響及びその作用機序を調べた。まず、キンギョNMUをコードするcDNAの単離を試みたところ、キンギョ脳及び腸より長さの異なる3種類のペプチドをコードするキンギョNMU cDNAを4つ単離した。キンギョの各組織における4種類の前駆体mRNAの発現分布をRT-PCR法により調べた。その結果、脳においては21残基から構成されるNMU-21をコードするNMU前駆体4mRNAが多く発現していた。そこで、前駆体4mRNA発現に及ぼす摂食量の影響をRT-PCR法により調べたところ、絶食群での前駆体4mRNAの発現量が有意に減少した。次に、キンギョ脳室内へNMU-21を投与して60分間の摂食量に及ぼす影響を調べた。その結果、NMU-21の投与により摂食量が投与量依存的に減少した。さらに、キンギョ脳室内へNMU-21抗血清を投与したところ、正常血清投与群と比べて有意に摂食量が増加した。加えて、摂食制御機構におけるNMUの作用機序を探るため、NMU-21投与による摂食抑制効果がCRH及びα-MSH受容体アンタゴニストにより阻害されるか否か検討した。その結果、NMU-21投与による摂食抑制作用はCRH受容体アンタゴニストの前投与により阻害されたが、α-MSH受容体アンタゴニストの前投与による影響はみられなかった。以上の結果より、キンギョにおいてNMU-21は摂食抑制作用を有することが初めて示された。また、NMU-21がCRHの摂食抑制系を介して摂食抑制作用を発揮する可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)