2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11333
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
丸山 圭介 University of Toyama, 理工学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | キンギョ / 摂食行動 / 神経ペプチド / ニューロメジンU / 脳室内投与 / 摂食抑制 / PCR法 / 神経内分泌 |
Research Abstract |
本研究は、魚類における摂食制御機構の解明を目指し、キンギョにおける神経ペプチドと摂食行動との関連について研究を進めている。これまでの研究において、新規摂食制御ペプチドとしてニューロメジンU(NMU)をコードする4種類のcDNAを同定した。そのうち、脳においては21残基から構成されるNMU-21をコードするNMU前駆体4mRNAが多く発現していたことから、キンギョ脳室内へ合成NMU-21を投与して60分間の摂食量に及ぼす影響を調べた。その結果、NMU-21の投与により摂食量が投与量依存的に減少した。以上の結果より、キンギョにおいてNMU-21は摂食抑制作用を有することが示された。さらに、NMU前駆体1、2及び3より産生されると考えられるNMU-25とNMU-38を合成し、その脳室内投与が摂食量に及ぼす影響を調べた。その結果、NMU-25あるいはNMU-38の脳室内投与により、摂食量が投与量依存的に減少した。また、その作用はNMU-21と同程度であった。次に、キンギョNMU受容体をコードするcDNAの単離を試み、2種類のcDNAを得た。一次構造をもとにした系統樹解析により、コードされるふたつのタンパク質がNMU受容体である可能性が示唆された。そこで、これら2つの受容体を培養細胞に強制発現させ、キンギョNMUを添加した際の細胞内Ca^<2+>濃度の変化をfluorometric imaging plate reader(FLIPR)を用いて解析した。その結果、NMU-21、NMU-25及びNMU-38の添加により2種類の受容体発現細胞の細胞内Ca^<2+>濃度が、添加量依存的に増加した。すなわち、単離した2種類の受容体が機能的なキンギョNMU受容体であることを示している。現在、2つのNMU受容体に特異的な抗体を作製し、キンギョ脳におけるNMU受容体発現ニューロンの分布を精査している。
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Research Products
(8 results)