2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質雄性不稔イネの核-ミトコンドリア間相互作用による花粉発達制御の機構解明
Project/Area Number |
07J11354
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板橋 悦子 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 細胞質雄性不稔性 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
イネの細胞質雄性不稔系統の中には異なる細胞質に由来するBT型CMS系統とLD型CMS系統が存在し、これらはいずれもRf1およびRf2という異なる2種類の稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)の存在下で可稔の花粉を生じる事が報告されている(新城ら1974)。BT型CMSではRf1の作用によるB-atp6-orf79 mRNAのプロセッシング、ORF79蓄積の抑制が起こる事が知られていたが、本研究ではRf2がRf1とは異なりプロセッシングを経ずにORF79の蓄積量を減少させる事を明らかにした。また、Rf2保持系統ではB-atp6-orf79 mRNA量の減少がみられ、Rf2はB-atp6-orf79の転写後制御あるいは翻訳制御に関与している可能性が見いだされた。LD型CMS系統にはB-atp6-orf79に非常に相同性の高い領域(L-atp6-L-orf79とした)が存在するが、成熟葯においてもL-ORF79の蓄積が見られなかった事から、LD型CMSはBT型CMSとは異なるメカニズムによって引き起こされる事が示唆された。 Rf2保持系統としてインディカ品種「Kasalath」を用いたポジショナルクローニングを進めているが、陸稲品種「オワリハタモチ」もRf2と同様に、BT型CMSとLD型CMSに対して稔性回復効果を持つRf遺伝子を保持している。ラフマッピングの結果、「オワリハタモチ」由来のRf遺伝子はRf2とは染色体上の異なる位置に座乗している事が明らかになり、新規のRf遺伝子である可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)