2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11360
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山城 秀昭 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラット精子 / 耐凍能 / ラフィノース / mKRB |
Research Abstract |
【目的】ラットはそのゲノム配列が明らかになり、また、多種多様な遺伝子改変ラットが作製され、遺伝資源の維持・提供のため精子の保存技術の開発が急務となっている。しかし、公表論文ではラット精子の凍結融解後の運動性が15%前後であり、精子の凍結保存技術は未だ確立された技術には至っていない。そこで本実験では、より運動性や耐凍能の高い精子の保存技術を開発することを目的として、糖類を修正クレブスーリンガー重炭酸(modified Krebs-Ringer Bicarbonate; mKRB)緩衝液に添加した凍結保存液が耐凍能に及ぼす影響について検討した。【方法】Wistar Imamichi系成熟オスラットの精巣上体から精子を採取した。精子の一次希釈は、20%卵黄を含むmKRB溶液に0.1Mラフィノース、トレハロース、ラクトース、フラクトースおよびグルコースを添加したものを用いた。希釈した精子は、1時間30分で5℃まで冷却した。二次希釈は、0.75%Equex STMを含む卵黄希釈液で等量希釈を行い、15分間平衡化を施した。その後、0.5mlのストローに充填し、液体窒素液面上に10分間静置し、液体窒素中に精子を凍結した。凍結精子は37℃の温水で融解し、運動性および先体の正常性を測定した。【結果】ラフィノース(38.0%±4.1%)およびトレハロース(34.3%±2.3%)を添加した卵黄-mKRB希釈液を用いて精子を凍結すると、融解後の運動性および先体の正常性は、ラクトース(22.6%±5.3%)、フラクトース(9.3%±0.6%)およびグルコース(7.0±1.0%)を添加した卵黄-mKRB希釈液に比較して高い値を示した。これらの結果から、ラフィノースを卵黄-mKRB希釈液を用いてラット精子を凍結すると、その耐凍能が向上することが明らかになった。
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