2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11362
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
進矢 正宏 Kyoto University, 高等教育研究開発推進センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒトの歩行 / 予測不可能な踏み外し / 反射 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歩行中に予測不可能な動揺が発生した際ヒトはいかなる姿勢制御を行うのか、そしてそれを可能にしている物理・生理・心理学的なメカニズムはいかなるものであるのかを明らかにすることである。平成19年度は健常な成人男性7名を対象として、予測不可能な踏み外しに関する実験を行った。被験者は9回の通常歩行の後、1回の予測不可能な踏み外しを行った。10回の通常歩行をするとだけ教示し6.5cmの段差を設けることによって、被験者が外乱発生の可能性をまったく予期していない日常での踏み外しに近い条件での測定を行うことができた。 踏み外しに際して3つの重要な姿勢制御ストラテジが観察された。最も早い姿勢制御活動は反射的な筋活動であった。踏み外した側の腓腹筋は、踏み外した瞬間から約100msというかなり短い潜時での活動を示し、筋活動に予測された感覚入力と実際の感覚入力との差分が重要な役割を果たしているということが明らかとなった。これは素早い反射的筋活動にフィードフォワード・フィードバック両方のメカニズムが関与していることを示唆する重要な結果である。第二に被験者は、踏み外した足で直ちに歩行を停止するということはせずに、踏み外しによって着地が遅れた分だけ離知を遅らせるというフェイズリセットを行っていた。第三に、踏み外した足を穴の中に残すことなく、普段の歩行より膝や足首を屈曲させて段差につまずかないような慎重なステップを行っていた。
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Research Products
(5 results)