2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11362
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
進矢 正宏 Kyoto University, 高等教育研究開発推進センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒトの歩行 / 予測不可能な踏み外し / 反射 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歩行中に予測不可能な動揺が発生した際ヒトはいかなる姿勢制御を行うのか、そしてそれを可能にしている物理・生理・心理学的なメカニズムはいかなるものであるのかを明らかにすることである。平成20年度は平成19年度に測定したデータを論文にまとめ、歩行や姿勢制御に関する専門誌であるGait and Posture誌に投稿・受理された。論文にまとめる段階で、歩行中の踏み外しに対して、被験者が踏み外す可能性を知っているかそれとも全く知らないかという要素が姿勢制御活動に大きな影響を与えているのではないか、という新たな疑問が浮上してきた。 そこで新たな実験として、成人男性18名を対象とした実験を行い、踏み外す可能性を全く知らない条件・踏み外す可能性を知っているが経験はしたことがない条件・踏み外す可能性を知っていて直近に踏み外しかことがある条件、の3つの条件での踏み外しに対する姿勢制御活動を記録した。そこで踏み外す可能性を知っている際には、着地付近での前脛骨筋の活動を弱めつま先をやや下げて足底面をより水平にしたいわゆる「差し足」のストラテジが観察された。これは踏み外しか後の足先を下げるというストラテジを先取りするものであると考えられる。これは、歩行中の踏み外しに対する姿勢制御活動において、フィードバック機構だけではなく予測に基づいたフィードフォワード機構が非常に重要な役割を果たすということを示唆する内容であると考えられる。
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Research Products
(5 results)