2008 Fiscal Year Annual Research Report
毛包形成におけるPhospholipase C-deltalの生理機能の解析
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07J11477
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
平田 真之 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PLC / 毛形成 / mHa3 |
Research Abstract |
これまでの研究で、PLCδ1がFOXN1と同一のシグナル経路に存在して、協調してmHa3の発現を制御している可能性が高いというデータを得ている。しかしFOXN1とPLCδ1がどのようにmHa3の発現を制御しているのかは明らかになっていない。そこで以下の2つの仮説を立て検討を行ってきた。1つ目はFOXN1によって発現誘導されたPLCδ1がFOXN1の転写活性をさらに上昇させ、その結果mHa3の発現が誘導されるものであり、2つ目は、FOXN1によって発現誘導されたPLCδ1がmHa3の発現制御を行っているというものである。 本年度は、FOXN1レポータープラスミドを用いて仮説1の検討を行った。その結果、FOXN1のみを導入したものと比較して、PLCδ1とFOXN1の両方を導入したものでは若干ながらFOXN1レポーター活性が上昇する傾向が見られた。このことより、PLCδ1が転写因子であるFOXN1の活性に影響を与えることが示唆された。次に仮説2の検証に必要なトランスジェニックマウス作製用プラスミドが正常に働くかどうかの検討を行った。FOXN1のプロモーターの下流にPLCδ1遺伝子を連結したトランスシーンを導入しかPLCδ1KOマウスを作製し、このマウスで体毛形成が正常化するかを検討した。このマウスはFOXN1発現部位である表皮層にのみPLCδ1発現がレスキューされたマウスであり、毛包の形態やmHa3をはじめとするヘアケラチンの発現が正常化することが明らかとなった。そこで免疫組織化学染色によりPLCの下流シグナルであるPKCの活性化について調べたところ、トランスジーンを導入したPLCδ1KOマウスではPKC活性化も野生型マウスと同程度にまで回復していることが明らかとなった。以上のことよりin vivoにおいてトランスジーンが正常に機能することが確認できた。
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Research Products
(3 results)