2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11478
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
朝井 友紀子 Keio University, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 初婚 / 少子化 / 晩婚化 / 地域差 / 出会いの機会 / イベントヒストリー分析 / 周囲の環境 / 日本 |
Research Abstract |
本年度は主に日本における男女の初婚について研究を行った。日本において人口少子高齢化が進行しているが、その原因は婚外子が少ない中で、結婚数が減少したことにある。よって青年男女の結婚行動やそれに対する意識の変化は、結婚数の減少による出生率の低下を通じて、人々の消費や貯蓄行動や労働力人口構成を変え、財政や社会保障制度等に多大なる影響を及ぼす。このような理由から、なぜ晩婚化が生じ、当面の結婚数が減っているのか、その背後の要因を検証する意義があると考えた。具体的には、結婚というイベント発生時点における個人の属性や家族的背景、居住環境、意識の変化、そして出会いの機会の職業、階層、親の属性、学歴による需給量の格差を大規模個票データや都道府県単位のデータを使用した統計分析を行うことで明らかとし、結婚が生じにくくなっている要因を検証した。本研究の特徴は、これまでの経済学における結婚行動の研究において軽視されていた結婚行動を規定する就業や経済的地位以外の要因、たとえば周囲の環境や結婚に対する意識等も分析に組み込むことで、結婚数減少の根本原因を明らかとし、経済的地位や就業の側面だけではない少子高齢化対策へ重要な示唆を与えることにある。これらの研究成果は「日本における初婚のイベントヒストリー分析」という題目にて学会報告、研究会報告を行った。さらに東京大学社会科学研究所日本社会研究情報センターより優秀論文賞佳作を受賞した。また今後、結婚意欲に関する論文も公表予定である。
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Research Products
(1 results)