2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11579
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大和 健太郎 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 導電性高分子 / 電気化学 / アクチュエータ / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、伸縮率50%以上、応答速度を筋肉と同等もしくはそれ以上、発生力が筋肉の100倍以上となるソフトアクチュエータを創成するとともに、ソフトアクチュエータの実用化のために様々なアプリケーションを提案する事である。 これらの目的を達成するために19年度は、階層構造を付与した高分子自立膜の作製、使用環境による性能の変化、最適な駆動形状、電極の配置等に関して検討を行ってきた。階層構造を付与した高分子自立膜の作製については、配向させた高分子薄膜をテンプレートとして重合することでの作製を試みている。また、アクチュエータの問題点として掲げられているエネルギー効率の低さ、応答の遅さ、駆動寿命の短さ、溶液中での駆動等は、使用環境を検討することで問題の解決を試みている。これらの問題は駆動溶液中に溶存する酸素や不純物による副反応に起因していると考えられる。そこで、我々は空気中で安定に存在し、蒸気圧がゼロであり、広い電位窓を持つと言われるイオン液体をアクチュエータの駆動溶液として、また導電性高分子重合時の支持電解質として用いることでアクチュエータの性能の向上を試みた。結果として、イオン液体をソフトアクチュエータの駆動液として用いることで、大気中での安定的な動作を得ることができ、駆動寿命に関しても性能の向上が見られた。しかし、イオン液体を用いた場合のソフトアクチュエータの伸縮率は5〜6%という既存のアクチュエータよりも低い値となってしまった。よって20年度においては、高分子膜へ螺旋構造など更なる高次構造付与や用いるイオン液体の最適化などを通して、問題の解決を行い目的の達成を実現する。
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Research Products
(3 results)