2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11579
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大和 健太郎 Kyushu Institute of Technology, 大学院・生命体工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 導電性高分子 / イオン液体 / ソフトアクチュエータ / 人工筋肉 / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、筋肉と同等もしくはそれ以上の伸縮、発生力性能を持ち、長寿命で安定駆動な導電性高分子ソフトアクチュエータを創成するとともに、ソフトアクチュエータの実用化のために様々なアプリケーションを提案する事である。 これらの目的を達成するために平成19年度は、階層構造、多孔質構造を付与した高分子自立膜の作製、使用環境による性能の変化、最適な駆動形状、電極の配置等に関して検討を行ってきた。膜構造を制御することにより、伸縮率、応答速度等の性能の向上を確認する事が出来たが、実用化に際し重要な要素である駆動寿命の向上を確認する事が出来なかった。平成20年度は、これらの問題の原因が駆動溶液中に溶存する酸素や不純物による副反応に起因していると考え、空大中で安定に存在し、蒸気圧がゼロであり、広い電位窓を持つと言われるイオン液体をソフトアクチュエータの駆動溶液として用いて駆動寿命の向上を試みた。イオン液体を用いない場合、筋肉と同等の26%もの高い伸縮率を示すソフトアクチュエータにおいても数10サイクル伸縮させると伸縮率が一桁以下に低下していた。しかし、イオン液体を用いるとソフトアクチュエータの伸縮率は5〜6%という既存のソフトアクチュエータよりも低い値ではあるが、非常に長寿命で安定した駆動を確認する事が出来た。また、我々はイオン液体に有機溶媒等を添加することによって、安定した駆動を保ったまま、10%以上の伸縮率を示すことを見出した。イオン液体を駆動液として用いた系において、上記のような性能を示された報告はなく、導電性高分子ソフトアクチュエータ実用化のためにイオン液体を用いることが非常に有効であることが我々の研究より示された。
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Research Products
(6 results)