2007 Fiscal Year Annual Research Report
多糖/核酸複合体を用いた免疫増強性CpG DNAキャリアーの創製
Project/Area Number |
07J11715
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
三成 寿作 The University of Kitakyushu, 国際環境工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CpG DNA / TLR9 / beta-1,3-glucan / gene therapy |
Research Abstract |
細菌類のゲノムDNAの中にはCpGという配列が哺乳類の場合よりも高頻度にみられる。哺乳類の抗原提示細胞はこの頻度差を識別することで、細菌を認識し細胞性免疫を誘導する。この認識機構の第一段階はCpG配列がその細胞内に発現するレセプター、TLR9に結合することにあり、最終的には、免疫応答としてIL-12等のサイトカインが産出されることになる。類似した作用は、CpG配列を含む合成オリゴ核酸、CpG DNAを投与した場合にも生じるため、CpG DNAを免疫活性化を促す核酸医薬として適用することに注目が集まっている。本研究では、β-1,3-グルカンの一種のシゾフィラン(SPG)を用いて、CpG DNAを標的細胞へ輸送するキャリアーを作製することを目的としている。 本年度は、CpG DNAに対してのTLR9の認識・活性化に関する基礎的研究を行った。その詳細は、複数のCpG DNAが局所的にTLR9から認識された場合に、協同的作用が生じ、CpG DNAの免疫活性化能が高められるかであった。一本の長いポリマーに複数のCpG DNAを結合させた分子を設計した。その分子は、ポリマーとしての320塩基からなるpoly(dT)と、40塩基のdAを付加したCpG DNA(CpGA)を2重鎖形成させたもので、複数のCpG DNA部分が2重鎖DNAから分枝状に突出した構造を有している。この分子では、CpGAとpoly(dT)の混合組成を変えることにより、poly(dT)に1本から8本のCpGAを結合させることが可能である。 1/1〜8/1の二重鎖の細胞内への導入率を調べたところほぼ同等であった。続いて、IL-12産生能を比較したところ、二重鎖中のCpGA数が増加するにつれ、IL-12産生量が増加するという結果を得た。従って、複数のCpG DNAを1本のポリマーに結合して投与することで、協同的作用が表れるという知見を得た。
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Research Products
(5 results)