2008 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導薄膜フィルタ用チタン酸ストロンチウムドープアルミン酸ランタン単結晶の育成
Project/Area Number |
07J11744
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲垣 友美 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 誘電体単結晶 / 浮遊帯溶融(FZ)法 / フラックス法 / 結晶構造 / 分光測定 / 微細構造観察 |
Research Abstract |
高温超伝導フィルタ用基板材料をはじめ電子デバイス用大型単結晶材料の育成技術は、高周波・高密度無線通信技術を実現可能とする。そこで本年度は、大型単結晶の育成方法の確立、さらに微細構造解析と物性計測を実施した。 1.高温超伝導フィルタ用誘電体基板材料LaAlO_3-SrTiO_3単結晶を浮遊帯溶融(FZ)法によって育成した。本年度は、放射光を用いたX線結晶構造解析を実施し、SrおよびTi固溶による特異的な局所構造を確認した。高温および低温でのX線回折測定を実施し、材料の相転移挙動を調査した。 2.フラックス徐冷法における結晶育成のメカニズムを熱分析および組織観察等によって調査し、得られる誘電体結晶の形状、大きさおよび電気物性と結晶育成条件の相関を見出した。 3.組成および育成条件を精査して得られた誘電体結晶の電気物性を評価した。その結果、セラミックス試料と比較して優れた誘電物性を示した。 4.電子顕微鏡および偏光顕微鏡を用いて、試験片の成長組織等を観察した。その結果、電気物性と密接な関わりを持つ微細構造の観察に成功した。また、分光測定を用いて結晶の内部に印加されている応力状態を調査し、結晶育成中における微細構造形成モデルを提案した。 5.結晶育成方法による結晶育成の駆動力の差異に着眼し、微細構造観察を行った結果、育成の駆動力によって顕著に電気物性を支配する微細構造が異なることを見出した。 6.デバイス応用を想定した電界印加実験を行い、これまで明らかとなっていなかった微構造のダイナミクスを観察した。その挙動からデバイスに応用した際の微構造とひずみの関係を考察した。 7.得られた結果を、国内外会議および誌上にて発表した。
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Research Products
(7 results)