2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11756
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 里佳 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シントロフィン / ショウジョウバエ / 神経系 / 突然変異系統 |
Research Abstract |
シントロフィンは、筋ジストロフィーに関わりのある複合体の構成因子の一つである。これまでの筋ジストロフィー関連タンパク質の研究の多くは、生体外の実験系で行われてきたため、実際の生体内での個々の役割や筋ジストロフィーの発症メカニズムはまだ解明されていない点が残されている。哺乳動物のシントロフィンは、α1、β1、β2、γ1、γ2の5種類が存在する。中でもγ1,γ2-シントロフィンは、比較的近年に発見されたこともあり、研究例は少なく、ノックアウトマウスもまだ報告されていない。そこで、私は、哺乳動物のγ1、γ2-シントロフィンに対応する、ショウジョウバエのシントロフィン-2(Syn2)に焦点を置き、解析を行ってきた。 これまでに、作製した抗体を用いて解析を進めた結果、Syn2は主に神経系に局在していることを確認した。これは、哺乳動物での局在に類似している。また、Syn2に対する抗体を用いたウェスタンブロット解析の結果、Syn2はすべての発生段階で発現していることが明らかとなった。 これまでに、Syn2遺伝子を人為的に破壊したショウジョウバエを作製し、生体に生じる影響を調べたが、外部や内部形態、行動などに顕著な異常は見られなかった。そこで、Syn2遺伝子を人為的に破壊し、さらに、哺乳動物のα1,β1,β2-シントロフィンに対応するSyn1の発現レベルを下げたショウジョウバエを作製し、解析を進めた。その結果、生存率と寿命の低下を確認した。これはSyn2がSyn1と遺伝学的に相互作用することを示唆している。 今後は、Syn2が存在する神経系に焦点を置いて、このような低下をもたらす仕組みを解析するとともに、行動学的な異常の有無について調べる。
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Research Products
(1 results)