2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11756
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 里佳 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シントロフィン / ショウジョウバエ / 神経 / ノックダウン / 突然変異系統 |
Research Abstract |
これまでのシントロフィン研究の多くは哺乳動物培養細胞等の実験系でなされたものであり、個体レベルでの機能は、いまだ明らかにされていない点が多い。α1,β1,β2-シントロフィンについては、これまでに多くの研究がなされており、α1,β2-シントロフィンに関しては、ノックアウトマウスがすでに作製されているが、γ1,γ2-シントロフィンに関しての研究はほとんど進んでおらず、ノックアウトマウスもまだ報告されていない。そこで、私は、哺乳動物のγ1、γ2-シントロフィンのショウジョウバエホモログであるシントロフィン-2(Syn2)に焦点を置き、解析を行ってきた。 これまでに作製した抗Syn2抗体の免疫染色における特異性が不十分であることが判明したため、抗体のさらなる精製法を検討し、Syn2に特異的なシグナルの検出を可能にした。シナプスに局在するタンパク質を認識する抗体と抗Syn2抗体を用いて、3齢幼虫の中枢神経系を免疫染色した結果、Syn2はシナプス形成部位に局在していることが明らかとなった。そのため、Syn2は、シナプス形成やシナプスの機能維持に関与していることが示唆された。また、Syn2に対する抗体を用いたウェスタンブロット解析の結果、Syn2はすべての発生段階で発現していることが明らかとなった。これまでにSyn2のノックダウン系統を樹立したが、ノックダウンでは遺伝子の発現が残る。そのため、ノックダウン系統のみを用いた研究では不十分と考え、遺伝子そのものを破壊した突然変異系統を新たに5系統作製した。抗Syn2抗体を用いたウェスタンブロット解析の結果、これらの系統ではSyn2タンパクは検出されなかった。突然変異系統において、形態学的に顕著な異常は見られないため、今後は行動学的な異常や特定の因子が存在しない条件下での異常の有無について調べる。
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Research Products
(2 results)