2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J11760
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 助教
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Keywords | 生分解性ポリマー / シリコン徐放能 / 間葉系幹細胞 / ポリ乳酸 / 石灰化 |
Research Abstract |
本研究課題は、シリコンイオン種徐放能を有するシロキサン・炭酸カルシウム・ポリ乳酸複合体(Si-CCPC)をベースに、高骨形成能を付与したバイオマテリアルの開発を目指した。二年目である本年度は、生体不活性基板表面へのSi-CCPCコーティングと、昨年度開発した新たなSi-CCPCの細胞親和性評価を行った。すでにインプラント材として臨床応用されるチタン金属材料を、生体不活性基板として用いて評価した。 Si-CCPCと金属材料表面間にて化学的結合を形成すべく、金属材料の表面改質をおこない、反応性に富む官能基を多く含む表面層の作製を試みた。比較的低温下にて処理が可能な水熱処理法を行ったところ、表面に水酸基の富むアナタース層を形成させることができた。この層上にポリ乳酸をコーティングしたところ、未処理に比べ接着力は優れたが、しかし十分とは言い難いものであった。そこで、金属材料表面にシランカップリング剤をコーティングし、これを介してSi-CCPCまたはポリ乳酸単体の接合を試みたところ、より優れた接着性をしめすことを見出した。新たなポリマーコーティング手法として、今後期待できる。 昨年度までに、ポリ乳酸にメルカプト基を導入した新しいタイプのSi-CCPCの作製に成功している。当サンプルについて細胞親和性等を評価したところ、メルカプト基を導入したことによる細胞親和性の低下はみられなかった。よって、この官能基を利用した、任意のタンパク吸着型生体材料としての可能性が示された。
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Research Products
(15 results)