2007 Fiscal Year Annual Research Report
独立成分解析を用いた地震前兆電磁波信号の抽出・解析に関する研究
Project/Area Number |
07J11824
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
毛利 元昭 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 独立成分解析 / 環境電磁波 / 地震予知 / 雑音除去 / 異常検知 |
Research Abstract |
環境電磁波観測データからの大域信号除去の成否を評価する指標を確立させるため,観測信号と独立成分解析を用いて大域信号を除去した信号(局所信号)に関する各種統計量を,複数年分のデータについて求めた.その結果,除去後の信号は分散と尖度が減少すること,異常な信号を含んでいる場合はその減少幅が小さく,場合によっては(インパルス状など)尖度が増加することが分かった.また,観測点間における相互情報量を推定したところ,相互情報量は減少することが分かった.これらめ結果を踏まえ,相互情報量に基づいた大域信号除去の評価指標を考案した.この評価指標は異常信号に対して頑強であり,また,局所信号が理想的には互いに独立であるという仮定を満たすことから,信頼できるものである. 続いて,大域信号推定に有効なアルゴリズムの特徴・傾向について調査した.その結果,30の観測信号からなる入力に対して5つの信号を出力する場合に最も良い推定結果になりやすいこと,勾配法が有効であることがわかった.また,観測信号が非負値であること,電磁波の混合過程が加算で表せることから,入出力に非負の制約を設ける"Non-negative Matrix Factorization"を用いて大域信号の推定を試みた.得られた局所信号を前述の評価指標を用いて評価した結果,独立成分解析を用いた場合よりも良好であることが分かった.信号に対する仮定を,より現実に即したものに置き換えることができたと言える. さらに,観測信号と局所信号それぞれに対し,従来研究の異常検知を適用した.その結果を比較したところ,主に誤検出に改善が見られた.大域信号除去は地震予知の精度向上につながったと言える.
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Research Products
(6 results)