2008 Fiscal Year Annual Research Report
独立成分解析を用いた地震前兆電磁波信号の抽出・解析に関する研究
Project/Area Number |
07J11824
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
毛利 元昭 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 独立成分解析 / 環境電磁波 / 地震予知 / 雑音除去 / 信号強調 / 異常検出 |
Research Abstract |
独立成分解析を用いて環境電磁波観測信号に含まれる大域的な背景信号(大域信号)を推定・除去する手法と,大域信号除去の成否を相互情報量に基づいて評価する指標についてまとめ,論文として発表した. 従来研究による知見に基づき,誤検出や見逃しの定義を見直した.地震に関係する環境電磁波の異常放射は,地震発生直前の概ね8日間にあること,その放射を有効的に観測できる範囲は,地震のマグニチュードがxの場合,震央からR=100×2^(x-5)[km]以内としてよいことが分かった.そのため,検出された異常がこれらの条件を満たす場合を正検出,前述の条件を満たす異常が確認された地震を正しく検出された地震とした. 異常評価値の算出手順や検出閾値の見直しを行った.雷放電の検出を避けるため,異常評価は3時間ごとに行うこととした.センサの感度のばらつきや大域信号の季節変化の影響を考慮し,検出閾値は観測点ごとに逐次的に算出することとした. 平常日のモデルに基づく線形予測残差信号,大域信号除去後の信号に対し,従来研究の地震検出手法を大規模に適用した.その結果,提案した異常評価値が地震の発生と相関をもつこと,線形予測残差信号や大域信号除去後の信号が検出精度を向上させることが分かった. 前年度に用いていたNMFのアルゴリズムが,外れ値を含む信号の解析に失敗することが分かった.外れ値に対して頑強な解析のため,コスト関数に絶対値距離を導入した新しい信号分離アルゴリズムを提案した.この手法では,大域信号の推定精度も向上にも成功した.
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Research Products
(10 results)