2007 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスを用いた原子・分子の量子状態の制御〜アト、フェムト秒物理の開拓
Project/Area Number |
07J11870
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
豊田 広大 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高強度レーザー / 精密数値計算 / Siegert擬状態 |
Research Abstract |
Kramers-Henneberger frameとSiegert擬状態法を組み合わせ、強レーザー場による一次元原子模型の超閾イオン化スペクトルを精密に数値計算する手法を開発した。Kramers-Henneberger frameでは、レーザー場の効果は原子ポテンシャルに組み込まれたレーザー場中の自由電子の古典軌道によって表される。よって古典軌道の振幅をカバーする大きさの箱を用意すればレーザー場の効果を完全に取り込むことができる。また、外向き波境界条件を満たすSiegert擬状態で波束を展開することにより、境界からの非物理的な反射を除去する。よって、これらの手法を組み合わせることで超閾イオン化スペクトルを精密に計算することが可能になった。続いて開発した手法を用いて数値計算を行った。一次元の水素原子陰イオンの模型に高強度真空紫外レーザー光(λ=145nm, I=8.8×10^<15>W/cm^2)を照射し、超閾イオン化スペクトルを計算したところ、多光子吸収ピーク中に振動構造がみえた。結果を高周波Floquet理論を用いて解析し、この振動構造がレーザー光によって生成される同じエネルギーをもった光電子波東間の干渉効果であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)