2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物界面における静電ポテンシャルバリア崩壊メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
07J11873
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
佐藤 幸生 Japan Fine Ceramics Center, ナノ構造研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | HAADF STEM / ZnO / 粒界 / 編析 / PMN-PT / TEM / ドメイン |
Research Abstract |
研究代表者は非常に高い圧電特性を示すことが知られている0.7Pb(Nb2/3Mg1/3)O3-0.3PbTiO3(PMN-PT)中のBサイト陽イオン規則構造について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察および走査透過型電子顕微鏡(STEM)観察を行った。その結果、1つのNb-richな{111}層と1つのMg-richな{111}層が交互に存在する規則相が数nmのサイズで存在していることが明らかとなった。加えて、詳細なSTEM実験の解析から、2つのNb-richな{111}層と1つのMg-richな{111}層で構成される、上記とは異なる種類の規則相の存在の可能性が示唆された。この規則相については従来得られているものとは異なり、当該材料における新規な知見を与えている可能性があると考える。 一方、同材料について電圧を印可しながらTEM観察を行うための試料設計を行った。収束イオンビーム法(FIB)を用いて試料の微細加工を行い、その結果、TEM内で電圧を印可しながら暗視野法により強誘電ドメイン構造の観察を行うことが可能となった。これまでに電圧を印可しながら明視野・暗視野その場TEM観察を行い、μmスケールおよびnmスケールにおけるドメイン構造の変化を観察することができた。これらの実験結果のより詳細な解析により、通常得ることが非常に困難であるnmスケールでのドメイン構造の電圧印可による変化を理解することが可能であると考える。また、電圧印可方向などを変化させることにより、圧電特性との相関性などの検討も行えると考えている。
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