2007 Fiscal Year Annual Research Report
産卵鶏における各種飼育システムの総合評価および攻撃性の行動遺伝学的研究
Project/Area Number |
07J11909
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
新村 毅 Azabu University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 行動学 / 動物福祉 / 飼育システム / 産卵鶏 / 福祉ケージ / 行動遺伝 |
Research Abstract |
本年度は、1:6つの産卵鶏用飼育システムの比較、2:新型ケージシステムの開発、3:気質の行動遺伝学的解析を実施した。1については、産卵鶏の各種飼育システムの長短所を、多面的検討により明瞭に捉えることに成功した。具体的には、行動学を主体としつつも、生理学・免疫学・脳科学的側面からの多面的測定を実施し、総合的な動物ベースの福祉評価を行った。さらに、福祉研究のデータベース化を行い、それを基にした測定項目の重み付けにより、飼育システムの長短所をFive freedomsの観点から明瞭化した。動物福祉の世界基準が制定されようとしている現在において、この研究は、世界的に重要な科学的根拠となるだけでなく、飼育システムを採用する農家レベルにおいても有益な情報を提供することができると言えよう。2については、新たな飼育システムとして、福祉ケージの資源を分散させた新型福祉ケージを開発した。その効果の総合評価から、資源の分散により福祉レベルの向上が見られ、その有用性が示唆された。福祉ケージは、行動の多様性・生産性に優れており、スウェーデンでは採用割合が40%となるなど、EUでは最も注目されている飼育システムの1つである。この研究により、日本に限らず動物福祉先進国のEUにおいても、新たな福祉ケージを提示することができたと言えよう。3については、当初の予定通り、東京大学・アグリバイオインフォマティクス養成プログラムを正式受講し、その技術を習得し、それを利用した行動遺伝学的研究の実験計画を立てた状況であり、実験自体は来年度より開始する予定である。
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Research Products
(9 results)