2007 Fiscal Year Annual Research Report
活動型植物トレロトランスポゾンの転移誘導による「正の遺伝学」アプローチの確立
Project/Area Number |
07J11914
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 裕樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | レトロトランスポゾン / 遺伝子組換え / トランジェントアッセイ / タバコ / サツマイモ |
Research Abstract |
[研究成果] サツマイモにおけるLIbの転移誘導条件解明と高活動型LIb配列の確定(研究実施計画の1と2項) サツマイモにおいては、茎頂培養条件、培地成分などの検討を行ってもLIbの転移頻度は低いことが明らかとなった。また、LIbについての5'RACE分析を行った結果、LIbの転写開始点は既知の5'UTR配列上に存在することが示唆された。 そこで、サツマイモのカルスにおいて転移していたLIb配列であるLIb5-S14、茎頂培養による転移誘導実験で得られたLIb-Sai3を異種植物であるタバコに導入し、異種植物における「正の遺伝学」解析手法の確立を目指すこととした。アグロバクテリウム法を用いた遺伝子組換え実験の結果、LIb-Sai3とLIb-S14が組み込まれたタバコ形質転換体が得られた。さらに、形質転換体においてLIbの転移を検出し、異種植物においてLIbが転移することを明らかにした。異種植物において転移誘導に成功した植物レトロトランスポゾンの種類としては世界で3例目となる。 LIbの転移を誘導するためには、転移の前提条件となる転写の条件を調べる必要がある。そこで、LIbのプロモーターと推定される配列とGFP遺伝子を融合したキメラ遺伝子断片を作成し、アグロバクテリウム法によるトランジェントアッセイをベンサミアーナタバコにおいて行った。その結果、LIbはストレス無処理区の葉では転写活性を示さないが、サリチル酸とジャスモン酸に応答して転写が活性化することが示唆された。 Ipomoea trifidaにおけるLIb転移検出 サツマイモ2倍体野生種Ipomoea trifidaにもLIbの類似配列が存在することを確認した。このような内在性のLIbの転移誘導を目的に茎頂培養を行ったが、サツマイモで用いられている培養方法では効率的な植物体の確保が困難であり、現在は培地成分についての検討を行っている。
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Research Products
(1 results)