2008 Fiscal Year Annual Research Report
活動型植物レトロトランスポゾンの転移誘導による「正の遺伝学」アプローチの確立
Project/Area Number |
07J11914
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 裕樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | レトロトランスポゾン / 遺伝子組換え / GFP発現解析 / タバコ / サツマイモ |
Research Abstract |
異種植物におけるLIbの転移誘導条件解明 本年度はまず、前年度の研究で、トランスポゾンディスプレー法により検出されたLIbの転移を示すバンドの特徴付けを行った。その結果、2コピーの転移後のLIb-Sai3を同定しか。また、転移に伴い形成されるTarget site duplication(TSD)が確認でき、タバコの形質転換の間にLIbが転移したことが証明できた。異種植物において人為的に転移誘導に成功した植物のLINE型レトロトランスポゾンとしては世界初となる。 次に、転移の前提条件となる転写の条件を調べるため、LIbのプロモーター配列とGFP遺伝子を融合したキメラ遺伝子断片をタバコに遺伝子組換えした(LIb::GFP導入系統)。その結果、タバコのカルス、茎、根で転写活性を有することが示された。また、RT-PCRにより、葉でも転写活性を有することが明らかとなった。さらに、LIb::GFP導入系統の茎頂培養により、培地に接する茎頂付近の細胞でGFP発現が観察され、茎頂培養はLIbの転写を活性化することが明らかとなった。 そこで、LIb導入系統の茎頂培養を行い、LIb導入系続から合計30個体の茎頂培養個体を作出した。その結果、30個体のうち1個体でLIbの転移が検出でき、タバコの茎頂培養によりLIbが転移することが明らかとなった。今後は、茎頂培養の条件を検討し、さらに高頻度にLIbの転移を誘導する条件を調査していく。 Ipomoea trifidaにおけるLIbの転移誘導 タバコにおいて自律性転移をしたLIb-Sai3がI.tirifidaには存在しないことが示された。よって、LIb-Sai3をI.trifidaに遺伝子組換えし、その転移誘導を行おうと考えているが、再生系の確立には長期の研究が必要であり、I.trifidaにおける研究を停止し、現在はタバコの遺伝子組換えに力を入れている。
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Research Products
(1 results)