2008 Fiscal Year Annual Research Report
地上デジタル放送の教育的利用の効果に関する研究-制作者と教師への提言に向けて-
Project/Area Number |
07J11931
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田島 祥 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 教育工学 / 地上デジタル放送 / 教育活用 |
Research Abstract |
地上デジタル放送の教育活用の有用性について検討するため、教員を対象にした調査と、地上デジタル放送の教育番組を対象とした内容分析を行った。まず、小・中・高等学校の教員各150名を対象にweb調査を行い、地上デジタル放送の教育現場への導入についての認識や、地上デジタル放送のもつ各種機能を教育に活用した場合の有用性について、教育主題別に尋ねた。結果として、高画質やインターネットとの連携等の機能は大部分の主題で有用であると認識された一方で、字幕やマルチ編成は有用性の認識が低いことが明らかになった。また、教育主題によて役立つと考えられる機能は異なっていた。内容分析研究では、サンプルウィークに放送された教育番組97番組を対象に、番組の主題についてコーディングした。その結果、教員から高画質・高音質が有用だと認識されていた「自然の事象・現象への理解」という主題がもっとも多く、次いで「社会生活についての理解」や「思考力、想像力、言語感覚」「自分自身や自分の生活について考える力」「道徳性」といった主題が多く扱われていた。「社会生活についての理解」は、データ放送の活用が有用であると認識されていたが、いずれの番組でも、現時点ではまだ番組特有のデータ放送のサービスは開始されていなかった。また、「道徳性」は、特に中学校の教員から双方向の機能が有用であると認識されていたが、これについても同様にサービスは開始されていなかった。これまでに、今後の地上デジタル放送の普及や利用促進に必要な取り組みとして、コンテンツを充実させることの重要性が指摘されている。本研究で得られた知見から、効果が期待される分野のコンテンツやサービスを重点的に開発・普及させていくことで、教育における地上デジタル放送の普及や利用を促進することができるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)