2008 Fiscal Year Annual Research Report
超構造転写を利用する無機界面への官能基集積と分子形状識別への応用
Project/Area Number |
07J11979
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
春藤 淳臣 National Institute for Materials Science, ナノ物質ラボ, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超分子 / ホストーゲスト / 分子メモリ / スイッチング / センシング / ポルフィリン / カリックスピロール / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは新しいホスト-ゲスト化学を目指すもので,官能基を規則正しく集積化させた界面(エキソレセプター)を創出し,優れ九分子形状識別を引き出すことを目的としている。具体的には,気-液界面に形成される単分子膜の高配向構造を安定化あるいは構造転写することによって,新規な直鎖状ホスト高分子を開発する。 本年度は,ゲスト分子と効果的に相互作用し,かつ安定な単分子膜を形成しうる両親媒性化合物を得るため,新たに環状テトラピロールを合成し,ゲスト分子との結合挙動を調査した。さらには,自己組織化部位を環状テトラピロールに導入し,バルク中での会合挙動の調査およびそれによるゲスト分子の識別能の制御を試みた。得られた主な結果を以下に示す。 1.フッ素イオンによってピロールレセプターの蛍光スイッチングができることが明らかになった。スイッチングモードの制御にも成功しており,とくに,世界で初めてアニオンによる不揮発性スイッチングが達成された。(不揮発性メモリ) 2.アキラルなピロールレセプターがゲスト分子のキラル情報を^1H-NMRのシグナルに翻訳できるシステムを開発した。また,ゲストの酸性度をRGBカラーとして可視化できることも明らかになった。 3.自己組織化部位を導入したピロールレセプターを利用して,環捩れの誘起,キラルな会合体形成,ゲストのキラリティーの可視化などが達成された。
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Research Products
(7 results)