2007 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素の特性を活かしたダイヤモンドセンサーの開発とフルオロバイオロジーへの展開
Project/Area Number |
07J12016
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
水田 賢志 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | トリフルオロメチル化 / 不斉 / 相間移動触媒 / フルオロバイオロジー / ジフルオロメチル化 / モノフルオロメチル化 |
Research Abstract |
F原子の特異的性質により作用増強や作用維持されているが、その効果の作用メカニズムが解明されていないのがほとんどである。そこで私は、医薬品分子のメチル基(CH_3)を、CFH_2,CF_2H,CF_3基に置き換えた機能性イソスター分子を構築し,CFH_2,CF_2H,CF_3基に起因する生理活性を体系化したフルオロバイオロジーへの展開を計画した。更に,新規フルオロバイオロジーとしてフッ素含有化合物とDNA,蛋白質,酵素などの生体分子との相互作用をモニタリングできるような半導体-ダイヤモンド膜による電界効果トランジスタを用いるバイオセンシングも.同時に計画した。初めに機能性イソスター分子の合成に重要不可欠な炭素ユニットCFH_2,CF_2H,CF_3基の不斉導入法の開発に取り組んだ。キラル4級アンモニウム塩とフッ化物塩との組み合わせ触媒に簡便な触媒システムを見出した(Tetrahedron2007)。種々検討を行った結果,本反応は芳香族アルデヒドと(トリフルオロメチル)トリメチルシランとの反応において最高40%のエナンチオ面選択性でトリフルオロメチル化が進行することを見出した。更なる詳細について研究を遂行したところ,二量体型アンモニウム塩とテトラメチルアンモニウムフロリドとの組み合わせたとき最も優れた触媒能を示すことが分かった。本組み合わせは,芳香族ケトンにおいて以前例のない高いエナンチオ選択性と幅広い基質一般性を示した.(Org.Lett.2007)。不斉ジフルオロメチル化反応にも応用可能であることを見出した。不斉モノフルオロメチル化である。独自に開発したフルオロビス(フェニルスルポニル)メタンを塩基と相間移動触媒存在下,α-アミドスルホンへの高立体選択的な不斉モノフルォロメチル化反応に成功した。(J.Am.Chem Soc.2007)。
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Research Products
(4 results)