2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国の卵、獣骨、皮革を中心とした畜産品貿易に関する総合的考察
Project/Area Number |
07J12943
|
Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
吉田 建一郎 The Toyo Bunko, 研究部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 畜産 / 獣骨 / 皮革 / 卵 / 貿易 / 近代中国 / 農村経済 |
Research Abstract |
本年度の研究の目標は、19世紀末から1930年代の中国における獣骨の生産、流通、加工(骨粉製造)、輸出貿易の実態について関連史料の収集と分析を進めることであった。この目標に基づき行った本年度の研究の主な成果は次の2点にまとめられる。 (1)財団法人東洋文庫、山口大学経済学部東亜経済研究所、北海道大学総合図書館、上海図書館などにおいて、『東洋貿易研究(大阪市役所産業課)』、鹿児島県立農事試験場編『骨粉肥料に関する調査』(1926年)をはじめとする日本語の文献や、『工商半月刊』『国際貿易導報』をはじめとする中国語の文献、貿易統計などを収集、分析した。そして中国における獣骨の生産、流通、輸出貿易の展開が、近代日本の中国への勢力拡張や、インド・ヨーロッパ間の経済的関係の変化と密接に関わっていたことを理解し、論稿(「(仮)19世紀末一1920年代の中国における獣骨・骨粉貿易」)の執筆を開始した。また執筆に際し重要な情報を提供する資料である『大連商業会議所月報』と『満蒙実業彙報』の一部の記事目録を作成した。 (2)上記(1)の作業を進めるには、近代中国の農村経済史、産業史、企業史についての知見を広げておくことが必要である。そのため、20世紀前半に行われた中国の農村経済に関する実態調査の読み込みや、江蘇省農村での聞き取り調査を行ったほか、近代中国企業史研究の動向を扱った研究書(中国企業史研究会編『中国企業史研究の成果と課題』汲古書院)の作成に参加した。
|
Research Products
(2 results)