2007 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的輻射輸送から探る活動天体と宇宙ジェットの構造
Project/Area Number |
07J13043
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋月 千鶴 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宇宙ジェット / 相対論的輻射輸送 / ブラックホール / 降着円盤 / 活動銀河 / 相対論的輻射流体力学 / ガンマ線バースト / X線連星 |
Research Abstract |
ブラックホール候補天体などの周辺で起こる高エネルギー現象を考えるには、相対論的磁気流体力学と共に、相対論的輻射流体力学の取り扱いは必須の事項である。しかし、相対論的磁気流体に比べ、相対論的輻射流体は、定式化がまだ不十分で、そもそも基礎過程自体に研究すべき点が多く残っている。また、数値的手法においては、相対論的輻射輸送の数値計算は計算量が膨大であるために、これまであまり研究が進んでいない。そこで、本研究では、相対論的輻射輸送流を徹底解明することにより、宇宙ジェットやガンマ線バーストなど、亜光速ジェットに関する物理過程の解明を試みている。 初年度では、福江(2006)による平行平板流に対する変動エディントン因子を応用し、球対称の亜光速流に対する変動エディントン因子を提案した。また、このエディントン因子を使って一次元球対称の輻射流体力学の定式化に成功した。その結果、輻射力で加速される相対論的球対称流のシュバルツシルト半径付近から、光学的厚みが0の先端までの定常解を求めることができた。 また、三次元輻射輸送コード(ART法)の開発に成功した。筑波大学計算機センターの超高速計算機を使ってコードを走らせ、磁気流体ジェットの数値モデル(加藤2004)の場所ごとの輻射特性を計算し、磁気流体ジェットにおいても輻射力が重要であることを示すことに成功した。さらに、光学的厚さが厚い場所から薄い場所の間での適用が疑問視されているFlux limited diffusion近似が、あまり適切でないことを検証した。
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Research Products
(11 results)