2008 Fiscal Year Annual Research Report
映像コンテンツ創成のための複合現実感技術に関する研究
Project/Area Number |
07J13051
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
一刈 良介 Ritsumeikan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 情報科学 / 複合現実感 / 映画制作支援 / カメラワーク / 光学的整合性 / Relighting |
Research Abstract |
本年度は,キャメラワークの検討支援法を引き続き研究し,また今年度から複合現実感における光学的整合性に関する研究に着手した.重点的に行った研究を下記に示す. まずキャメラワークの検討支援の研究としては,昨年度より提案してきた半自動キャメラワーク設定ツールの完成度を高め,参加するCREST/MR-PreVizプロジェクトでの短編映像「カクレ鬼」制作の実証実験において使用し,妥当性を確認した.また同プロジェクト内で,ランドマークデータベースを利用したキャメラ追跡手法の研究を行っており,その成果の撮影合成システムへの統合を行った.画像認識のみに頼ることで,ノートPCとハンディカメラのみの可搬性を高めたシステムも新たに構成でき,撮影の規模や予算に応じて使い分けられる枠組みを実現した. 「カクレ鬼」制作の実証実験では,画像処理により昼にとったMR-PreViz映像を夜間シーンに見せる試みを行った.これをきっかけに,仮想と現実の物体が共存するMR-PreViz映像に対して仮想照明を適用することで照明検討を行うRelightingの研究に着手した.Relightingは,対象映像からの影成分の除去と仮想照明効果の付与処理の2段階の処理で実現する.対象の実写映像からの影成分除去は,仮想の影と現実の影が光学的に矛盾するのをさけるために行い,影領域,日向領域の色分布と近づけることで実現した.この処理において濃さが一様でないソフトシャドウも消せように工夫した.仮想照明の効果は,実環境の幾何形状・反射特性に基づいて光学的に正しく適用されるようにした.屋外でも利用可能な簡便な反射特性手法として,基準参照物体との比較に基づく手法を開発した.仮想照明の適用には照明器具の配光データである(IESデータ)を反映させることでリアルな照明効果を実現し,最終的に意図したとおり照明を変更できることを確認した.
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Research Products
(6 results)