2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境音識別による情景推定とその状態空間モデル化に関する研究
Project/Area Number |
07J13078
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
板井 陽俊 Aichi Prefectural University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 歩行足音 / 車両走行音 / 個人識別 / 環境音 / 背景雑音除去 |
Research Abstract |
本研究の目的は屋内外に存在する通常騒音とされる環境音を分析し情景推定を実現する特徴量と識別法の提案、およびその識別限界を示す手法の提案である。今年度の研究実施計画は、1.歩行足音・屋外環境音の収集、2.歩行足音から抽出された特徴量に対する識別手法の適用、3.特徴分析および音源分離の3点からなり、歩行足音・車両走行音に着目して研究を遂行し、以下の成果が得られた。 1.マイクロホンを用いて20代の男女を中心に屋内における33人分の足音を収集した。また、屋外における4車種の車両走行音を収録し、本研究を遂行するための基盤を整えた。 2(1)床と履物の衝突音と床と履物の摩擦音の存在を明らかとしたウェーブレット変換による歩行足音解析結果より、時間軸上のエネルギー重心や幅などの特徴量を定義した。これらの特徴量をユークリッド距離およびSVMを用いた個人識別に適用した結果、周波数成分に着目した従来法に比べ良い識別性能が得られ、後者ではパラメータ数を半数まで削減可能であることを示した。 2(2)従来研究では適用されていない音声認識に基づく足音識別法としてDPマッチングによる手法を提案した。短時間フーリエ変換により得られた周波数成分を特徴量とした結果、参照信号が少ない環境下においても90%程度の本人受理率が得られた。また、ケプストラムなどの音声部分析に適用される特徴量を適用した結果についても報告した。 3(1)複数マイクロホンを用いて収録した環境音より主要な信号を分離する手法として絶対値誤差を用いたテンソル積展開に着目し背景雑音をより精度良く推定する手法を提案した。 3(2)マイクロホンアレイを用いて収録した車両走行音に対して音の到来方向推定を適用し、車両接近方向の推定精度が向上することを示した。また、周波数成分をクラスタ化することにより車両速度および到来時間を推定可能であることを示した。 これらの成果は学術論文として1件、共著論文を含め国際会議4件、国内学会6件において報告した。
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Research Products
(8 results)