2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境音識別による情景推定とその状態空間モデル化に関する研究
Project/Area Number |
07J13078
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
板井 陽俊 Aichi Prefectural University, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 環境音 / 歩行足音 / 音源識別 / 個人識別 / 背景雑音除去 / 経時変化 |
Research Abstract |
本研究の目的は屋内外の環境音を分析し、情景推定を実現する特徴量と識別法の提案、およびその識別限界を示す手法の提案である。平成20年度の研究実施計画は、歩行者や車両などの音源情報特定、注目信号の検出可能性を求める手法の基礎検討である。しかし、人の足音は衣服や健康状態が同一の場合においても全く同じ歩行動作を繰り返すことはなく、計測のたびに特性が少なからず変動する。個人が有する足音特徴量の経時変動が被験者間の変動に比べ大きい場合、その原因を特定し統計的モデルにて表わす必要がある。次に、昨年度提案した歩行足音による個人認識、背景雑音除去、車両到来方向推定は基礎検討にとどまっており、特徴量抽出や分類技術の最適化により精度向上が見込まれる。以上の課題のもと、本年度は次の成果が得られた。 1.8人の歩行足音を、1時間間隔で5度ずつ収集した。LPC分析によるスペクトル包絡線の第一ピーク、歩行間隔の統計量を比較した結果、被験者間の特徴量のばらつきは、同一被験者の異なる時間から得られた足音間のばらつきに比べ大きいことを指摘した。 2.足音識別法としてケプストラム係数、LPCケプストラム係数、MFCCを特徴量としたDPマッチングを適用し、それぞれ90%を超える本人認識率を示した。 3.従来の絶対値誤差を用いたテンソル積展開の欠点である観測雑音の影響による推定精度の低下を改善するため、Modified Trimmed meanを用いた外積展開法を提案し、従来手法に比べ背景雑音をより精度良く推定可能であることを確認した。 4.マイクロホンアレイを用いた車両接近方向の推定として、マイクロホン間の距離が同一である相関関数を平均し、距離が異なる相関関数の総和から接近車両の方向を推定する手法を提案した。 これらの成果は共著論文を含め国際会議3件、国内研究会1件において報告した。
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Research Products
(4 results)