2008 Fiscal Year Annual Research Report
ULF帯磁場データのフラクタル解析による地震に伴う地圈内電磁気的変動過程の解明
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07J13140
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
伊田 裕一 The University of Electro-Communications, 大学院・電気通信学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地震 / 電磁気 / ULF / VHF / 磁場 / 地震電磁気現象 / フラクタル / マルチフラクタル |
Research Abstract |
地球上では、至る所で地震が発生しており、日本においても大地震が発生し、重大な損害が出ている。このように地震が多発する我が国では、地震に対する研究は不可欠であり、昔から力学的手法で地震の研究が行われてきたが、数日後の地震発生を予知することは大変困難であるとされている。一方、近年注目されているのが、電磁気的手法を用いて地震を予知する方法である。地震及び火山活動に伴う地震電磁気現象は、下はDC・ULF帯から上はVHF帯まで様々な周波数帯で観測されているが、私はこの観測分野の中でULF帯磁場データ及びVHF帯電磁雑音データに注目した。ULF帯の電磁波のデータを用いた研究では、まず従来行われてきたイベントに対して再び解析を行い、新たな見地を加えた。そして、新たなイベントに対してフラクタル解析を用いてULF帯磁場データから地震前兆現象を検出することを試みた。その結果、従来のイベントにおいてはより詳細なフラクタル的特性の変化を明らかにすることが可能となった。また、新たなイベントにおいては、従来行われてきた手法では検出不可能であった地震に先行する前兆を検出することが可能となった。 また、VHF帯電磁雑音データの解析では、VHF帯電磁雑音データのフラクタル的特性に注目することで、その発生要因を推定する手法を提案した。この解析の結果、地震に先行する異常を検出した。以上より、従来では検出困難であった地震に先行する電磁気的異常の検出が可能となった。この結果は、地圏内での非線形プロセスの理解に大きく貢献し、ひいては地震電磁気環象の発生原因を解明する一助となると信じる。また、将来の地震の短期予知の実現へ大きく寄与すると考えられる。
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Research Products
(4 results)