2008 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞の分化におけるmicroRNAの機能解析と分化制御システムの解明
Project/Area Number |
07J13192
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
井上 敦 National Research Institute for Child Health and Development, 移植外科研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 軟骨 / microRNA / 分化 / 転写調節 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
マウスの発生に置いて軟骨組織に置いて高い発現を示すmicroRNAの標的としている遺伝子を同定するための新規レポーターアッセイシステムを構築した。通常、miRNAを含む発現抑制複合体は標的mRNAの3'UTR部位に部分的な相補鎖形成により結合しmRNAの不安定化、もしくは翻訳を阻害することによりタンパク質への変換を抑制する。そこで、約5,000種類のヒトcDNA配列をルシフェラーゼ遺伝子の3'UTR部位に導入したレポーターライブラリーを構築した。ソースとしたcDNA配列は元となる遺伝子のタンパク質をコードするORF、5'UTR、3'UTRを含むが、そのすべてがルシフェラーゼ遺伝子配列の終止コドンとポリAシグナルの間に位置するためmRNAには含まれるが翻訳は起こらない。 構築したルシフェラーゼレポーターライブラリーを用いて、miR-140/miR-146a/miR-424についてスクリーニングを行った。384ウェルプレートでのハイスループットスクリーニングにより、これらのmiRNAを同時に発現させた場合にルシフェラーゼ活性が低下する遺伝子を得た。さらに確認のために二次スクリーニングを行ない、miR-146aによって発現が抑制される標的候補遺伝子を17遺伝子得た。 miR-140およびその前駆体(pri-miR-140)は軟骨細胞において発現が上昇することが分かっているが、どのように転写調節を受けているのかは明らかにされていない。そこでマウスmiR-140、pri-miR-140を含む転写産物を解析したところ、miR-140の上流6.2kbの種間での保存性が非常に高い領域から転写される転写産物が存在することが明らかとなった。また、この転写開始点から転写される異なるトランスクリプトがデータベースに登録されており、このトランスクリプトとmiR-140は同様の発現制御を受けている可能性が考えられる。また、miR-140はゼブラフィッシュからヒトまで脊椎動物で広く保存されており、共通の発現調節メカニズムを持つ可能性も考えられ、この領域にがmiR-140の転写調節に大きな役割を果たしていると考えられる。
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Research Products
(2 results)