2007 Fiscal Year Annual Research Report
アナモックスと硫黄脱窒細菌群を利用した革新的超低コスト型窒素除去プロセスの開発
Project/Area Number |
07J13269
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
阿部 憲一 Nagaoka University of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 窒素除去 / バイオリアクター / アンモニア酸化細菌 / 亜硝酸酸化細菌 / 亜硝酸型硝化 |
Research Abstract |
一槽型での亜硝酸型硝化-Anammox窒素除去プロセスを開発するに先立って,亜硝酸型硝化に影響を及ぼす環境因子を把握する必要がある.塩分濃度の影響については既報内でも相反する結論が示されており、亜硝酸型硝化へ及ぼすその影響は不明瞭であった。本研究では既にスポンジ担体を充填したエアリフト型リアクターを用いた連続実験により,塩分(NaCl)濃度に亜硝酸型硝化を(直接的に)誘導する効果は無いことが強く示唆される結果が得られていたが,この結果を裏付けるための微生物レベルでの解析が必要であった.分子生物学的手法を用いてのBacteriaを標的とした解析から,以下の結果が得られた. 1.NaCl添加の有無(0〜450mM)に関わらず,リアクター内のアンモニア酸化細菌(Nitrosomonas europaea)および亜硝酸酸化細菌(Nitrobacter spp.,Nitrospira spp.)の種類に変化は見られなかった. 2.NaCl濃度の上昇に伴い,検出された2種の亜硝酸酸化細菌群の内,Nitrobacterの存在割合が増加する傾向がみられ,亜硝酸酸化細菌群は塩分濃度により優占種が遷移していることが示唆された. これらの結果より,海水程度の塩分濃度であっても硝化反応は安定的に進行する事が明らかとなった一方で,本研究で当初に予定していた海水添加による亜硝酸型硝化の制御は困難であることが示された.したがって,本研究で開発を予定している一槽型での亜硝酸型硝化-Anammox窒素除去プロセスにおける亜硝酸型硝化の制御方法は,低酸素濃度を維持することが現段階では最も有効な方法であることが示された.
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Research Products
(6 results)