2009 Fiscal Year Annual Research Report
アナモックスと硫黄脱窒細菌群を利用した革新的超低コスト型窒素除去プロセスの開発
Project/Area Number |
07J13269
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
阿部 憲一 Nagaoka University of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低アンモニア含有廃水 / -槽型窒素除去システム / 散水ろ床リアクター / 亜酸化窒素 / 低酸素濃度 |
Research Abstract |
検討項目1:亜硝酸化に及ぼす無機炭素の影響 重炭酸ナトリウムの添加および30%CO_2ガスの供給により,無機炭素が亜硝酸化に及ぼす影響を調査した。重炭酸ナトリウムを添加した期間ではNO_2蓄積が起こり,重炭酸イオン濃度75mM以上で30~50%程度の亜硝酸化率を達成した。一方,30%CO_2ガスの供給ではCO_2溶け込みによるpH低下が引き起こされNO_2蓄積はみられなくなった。重炭酸イオン濃度も20mM以下と低く,今回のように希薄な廃水にはCO_2ガスでの無機炭素の供給は不向きであることが明らかとなった。また,NO_2蓄積がみられた期間では,N_2O発生量も増加する傾向がみられ,最大で除去されたNH_4^+の-割近くがN_2Oとして放出していることが示された。 検討項目2:硝化細菌群が優占化した生物膜でのN2O発生調査 小型の密閉型散水ろ床リアクターを4台用いて,高酸素濃度(NO_2無添加,高酸素濃度/NO_2添加,低酸素濃度/NO_2無添加,および低酸素濃度/NO_2添加の4系列の同時運転を行い,N_2O生成量を調査した。本実験は,下水処理場の活性汚泥を十分に希釈したものを植種して,硝化反応が確認された後(運転開始20日程度)すぐに行った。また,一回目の運転条件変更後通常運転を挟んで,二回目の運転条件の変更を行った(一回目と二回目では,各リアクターとも運転条件が異なる)。得られた結果は一,二回目とも同じ傾向であり,低酸素濃度/NO_2添加条件においてN_2O生成率が最も高く,平均でも除去されたNH_4^+の二割以上がN_2Oとして放出されたことが示された。前年度の結果(運転200日以上の成熟した生物膜)でも,低酸素濃度NO_2添加条件でのN_2O生成率が最も高かったが,その値は5%程度であった。これらの結果を比較より,未熟な生物膜より成熟した生物膜の方が,N_2O発生量を抑制できることが示唆された。
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Research Products
(2 results)