2009 Fiscal Year Annual Research Report
セルレベルで微生物の機能と系統を結びつけて理解するための視覚的検出技術の開発
Project/Area Number |
07J13278
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
川上 周司 Nagaoka University of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 微生物 / FISH法 / 分子生物学 / 人工核酸 / メタン生成古細菌 |
Research Abstract |
本年度は、微生物の遺伝子を視覚化する技術の開発を行った。 1.Two-pass TSA-FISH法とポリプローブを用いた微生物の機能遺伝子検出技術の開発 微生物の遺伝子を可視化するために重要なのは、十分な蛍光強度を確保することである。そこでtyramide signal amplification(TSA)法を二度繰り返すtwo-pass TSA-FISH法を用い、メタン生成古細菌であるMethanococcus marupaludis strain S2のmcr遺伝子の検出を試みた。昨年度までの研究ではオリゴプローブ(設計が容易であるが検出感度が低い)を用い検討を行ってきたが、検出率が低いという問題に直面していた。そこで今年度はポリプローブ(感度が高いが特異性がオリゴプローブに比べ劣る)を用いた方法での検出を検討した。結果、機能遺伝子を十分な蛍光感度と高い検出率達成して検出することが可能であった。さらにモデル微生物に近縁な微生物を数種用意し、研異性の検討も行った。結果、遺伝子相同性で85%以下の微生物種を識別することが可能であった。このことは、科レベルで微生物を識別できることを示しており、既報の技術よりも高い特異性を有していることがわかった。 2.開発した技術の環境サンプルへの適用 開発した技術が環境サンプルに適用可能な技術であるかを検討するために、嫌気性廃水処報リアクターの汚泥をモデルに実証実験を行った。結果、標的に選定したメタン生成古細菌のみを機能遺伝子に基づいて同定することに成功した。
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Research Products
(4 results)