2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい生物生産技術開発を目指した減数分裂開始機構の解明
Project/Area Number |
07J40002
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 智恵美 Ehime University, 農学部, 特別研究員(RPD)
|
Keywords | 魚類 / 精子形成 / 黄体ホルモン / DHP / 精子形成関連因子 / トリプシン / セリンプロテアーゼ / 受精 |
Research Abstract |
ウナギの精子形成では、黄体ホルモン: 17α, 20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オン(DHP)が、精原細胞に減数分裂を誘導させることが明らかになっている。本実験はDHPの刺激により、精巣での発現が変化する遺伝子のcDNAクローンのうちの精子形成関連因子(eSRS)56に関して詳細に解析し、減数分裂開始の制御機構を明らかにするとともに、得られた知見を基に未分化細胞に減数分裂を誘導する試みを行なう事により、新しい生物生産技術を目指した生体外での減数分裂誘導技術を確立することを目的として行っている。eSRS56はその塩基配列からセリンプロテアーゼの一種:トリプシンをコードしており、このトリプシンは、DHPの刺激によりそのmRNAの発現が精巣で誘導されること、その発現部位がセルトリ細胞であることなどが明らかとなっている。またトリプシンは、減数分裂の開始、精子変態の過程の一部、さらに、受精にも重要な役割を担うことが明らかとなっている。この多機能性をもつトリプシンが細胞に対し作用する際、トリプシンがセリンプロテアーゼの一種であることから、セリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)との相互関係のもと、プロテアーゼレセプター(PAR)を介するものと考えられる。今年度は、このウナギのSERPINとPARのcDNAクローン、精子膜上に存在するトリプシン様物質をコードするcDNAのクローニングを行った。その結果、SERPINe2、SERPINb1、PAR1、PAR2の断片が得られ、現在、完全長のcDNAクローンのクローニングを行なっている。また合わせて精子膜上に存在するトリプシン様物質をコードするcDNAのクローニングを行っているが、カドヘリン、プロスタシン様セリンプロテアーゼ、未知のセインプロテアーゼの断片が得られた。今後は、これらの得られたクローンの発現解析を行いトリプシン作用の全貌解明をめざす予定である。
|
Research Products
(6 results)