2007 Fiscal Year Annual Research Report
認知症家族介護者の生涯発達に基づいた施設職員による効果的介入技法の構築
Project/Area Number |
07J45059
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
北村 世都 J. F. Oberlin University, 大学院・国際学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 生涯発達 / 施設職員 / ペルソナ手法 / 介入 / 体験過程 / 臨床心理士 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症家族介護者は介護体験過程をストレス認知過程と生涯発達過程の2次元で経験するという知見を用い、施設職員が施設利用者家族におけるこれらの2次元の体験過程を理解し、実践に活かしてゆく過程を支援する技法の確立である。初年度にあたる平成19年度は、介入研究に向けた既存データの再分析として認知症の区分(なし・疑い・診断あり)による家族介護者の介護および要介護者に対する認知パターンの違いを明らかにした。その結果、要介護者からみた介護者の属性が息子の配偶者の場合、一貫してストレス認知過程が有意に経験されやすいこと、実子や配偶者の場合、ストレス認知過程と同時に、疑い段階で生涯発達過程が促進され、診断に至ることでストレス増大は止まり、生涯発達過程のみが進行することが示唆された。この結果をもとに、施設職員への介入にあたっては、家族介護者を単にストレスを持つ人ととらえるだけではなく、介護を経験して発達する人と認知することが必要と考えられたため、介入手法として、ユーザー中心設計のひとつの手法であるペルソナ手法を援用し、単施設において試行的に介入を行い、介入の効果・課題を抽出した。従来の研究知見から家族介護者数パターンをクラスタ化し、これらに施設職員による家族へのインタビュー調査から得られた質的データを合わせて、典型的な家族介護者数名を、ペルソナとして擬人化してゆくプロセスを、臨床心理士が支援した。その結果、ペルソナ作成過程で、職員における家族支援への関心の高まりや家族支援の意義の再考などがみられ、介入本実施においては、職員と利用者家族の関係性に着目した効果測定を行うことが有効と考えられた。
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Research Products
(3 results)