2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J45124
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
奈良崎 律子 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特別研究員(RPD)
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Keywords | plasminogen / conformation / fibrolysis |
Research Abstract |
SMTPとプラスミノゲン(PLG)のin vitroでの詳しい作用機序の解析を行った。SMTPは、PLGのコンフォメーションを変化させ、PLGのフィブリンへの結合を促進すると共に、PLGアクチベータによるプラスミンへの変換(プラスミノゲンの活性化)も促進する。SMTP-7投与によりin vivoでのプラスミンが約5倍増加していることが確定できた。また、このプラスミンの増加はPLGアクチベータ依存的であることが、exo vivoでの実験により分かった。これより血栓溶解作用の作用機序の一つはプラスミン変換の促進によるものであることが強く示唆された。循環型Glu-PLGはN末端ペプチド(NTP)と5つのクリングルドメイン(K)とセリンプロテアーゼドメインで構成されおり、NTPとK5の分子内結合により、タイトなコンフォメーションをもち、PLGアクチベータによるPmへの変換(PLG活性化)に抵抗性である。しかし、血栓や細胞表面にPLGがK5を介して結合すると、分子内結合が解除され効率的にPLGの活性化が行われる。このように、PLGのコンフォメーション変化は局所的プロテオリシスの制御に重要な役割を果たしている。そこで、SMTPとPLGの相互作用を解析するために、NTPを欠いたLys-PLG,K1-K4を欠いたmini-PLG,プロテアーゼドメインだけをもつμ-PLGを作製、精製しそれぞれのPLGに対するSMTP-7の作用を解析した。フィブリンへの結合、PLGの活性化およびPmの自己消化を指標として解析した。その結果、いずれの活性に対しても、Glu-,Lys-,mini-PLGでは促進が認められたが、μ-PLGには影響を与えなかった。SMTP-7が影響を与える最小単位はK5を含むmini-PLGであることよりSMTP-7は(1)K5依存的にコンフォメーション変化を誘導し、PLGの活性化を促進する。(2)リジン結合部位とは違う部位に作用するためフィブリンへの結合を阻害しないとういう特性を持つことが分かった。また、SMTP-7の作用はNaCl依存的にPLGを活性化すなわち生理条件下において特異的に促進作用があることが分かった。
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Research Products
(4 results)