2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおけるマントルの不連続面と異方性の詳細なマッピング
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07J45142
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
東野 陽子 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | マントル異方性 / スタグナントスラブ / 太平洋プレート / 410km不連続面 / 660km不連続面 / オリビンの定向配列 |
Research Abstract |
日本列島全域に設置された傾斜計と広帯域地震計で観測されたScS波とその多重反射波を用いて、太平洋プレートを起源とし日本海溝から沈み込むスラブ内に北北西方向のS波を早く伝搬させる異方性が均一に存在することを明らかにした。異方性の原因は、オリビンの定向配列と考えられていることから、我々はスラブ内に見られる異方性はその特徴から太平洋フレートが獲得したものと考えた。しかし、スラブ内全域に本当に均一なのか、特にオリビンの相転移の起こる410km不連続面を超えてもオリビンの定向配列は保たれるのか、さらに660km不連続面の上で横たわっているスラブの終焉部までその特徴がみられるかどうかは、日本の観測点だけでは十分に研究できない。当該年度では、日本での観測記録を用いた研究を進めると共に、中国、台湾および韓国の観測記録の解析を行った。 中国には、中国地震局が運営している広帯域地震観測網(NCSN)があり、韓国でもKorea Institute of Geology, Mining and Materials(KIGAM)が運営する広帯域地震観測網がある。しかし、どちらも非公開データであるため、両研究所に共同研究を提案し、データ提供をうけた。韓国のデータは、解析対称である地震波が到達する時刻に失測などがあり、異方性解析ができなかったが、中国のデータに対しては、スラブの終焉部を伝搬するScS波とその多重反射波について日本のデータと同じ解析を行うことができた。また、国際的に公開データである台湾の観測点を用いることで解析範囲を拡げることができた。その結果、410km不連続面を超えても、太平洋プレートが獲得した異方性は消失しないがスラブ終焉部である中国大陸下では均質な異方性が消失している可能性があることがわかった。つまり、スラブ終焉部では相転移した後に残った鉱物の定向配列を消失させるための別の原因、例えば、応力変化などを考える必要があることがわかった。
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Research Products
(2 results)