2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J45179
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 美穂 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | チタン酸カルシウム / ハイドロキシアパタイト / 骨芽細胞 / 細胞接着 / 細胞増殖 / 骨芽細胞分化能 / 新生骨形成 |
Research Abstract |
【目的】高機能新規生体材料を開発するため、基材素材(生体不活性チタン(Ti)、Ti合金)へのバインダー材として生体活性のチタン酸カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTiO_3-aC)を作製した。本研究では、本材料における骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)の細胞動態、ラット脛骨内での新生骨形成について、ハイドロキシアパタイト(HA)、Tiとの比較検討を行った。 【結果】 1.In vitro実験;TiプレートにCaTiO_3-aC、HAコーティングTiプレート、Tiプレート上でマウス骨芽細胞(MC3T3-E1)を培養した。 細胞接着試験では、CaTiO_3-aC、HA、細胞増殖試験では、Ti、CaTiO_3-aC、骨芽細胞分化能試験では、CaTiO_3-aCが高い値を示し、これらのことから、初期の細胞分化能が高いことが示唆された。 2.In vivo実験-ラットの脛骨へ、Ti、CaTiO_3-aC、HAコーティングインプラントを埋人後、1週、2週、3週間後、組織観察を行った。1週後、CaTiO_3-aCコーティングに接して、新生骨形成が起こっていた。Ti周囲には線維組織、HAコーティングには、線維組織、軟骨が観察された。2週後は、CaTiO_3-aC、HAコーティングも、インプラント周囲に接して成熟骨が観察された。Ti周囲は線維組織の介在が観察された。これらの結果から、CaTiO_3-aCは早期に新生骨形成が起こると示唆された。 【考察】新規生体材料CaTiO_3-aCは、今まで用いられてきたHAより、細胞増殖能、細胞接着能、細胞分化能において、優れた材料であり、実際、動物実験においても、早期に、インプラント材に接して、新生骨形成を行うことから、新しいインプラントコーティング材として利用できる。また、細胞実験、動物実験より、生体為害性が全くないことから、歯科、医科領域への応用や、工業への応用も期待できる材料として期待できる。
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Research Products
(15 results)