2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J45179
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 美穂 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | チタン酸カルシウム / 生体材料 / インプラント / コーティング / 骨芽細胞 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
高齢化社会の進展により医用金属骨内インプラントの需要が増し、長寿命化コーティング医用インプラントの開発が必要となってきた。そこで、新規コーティング材の開発により、長寿命化歯科インプラント、人工関節などの高機能新生体材料を開発する。基材素材(チタン)へのバインダー材として生体活性をもつチタン酸カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTiO_3-C)、コーティング材として生体親和性のあるハイドロキシアパタイト(HA)を用いて生体材料金属コーティングを作成することができると考えられる。HA及びCaTiO_3-Cコーティング溶液を作成し、我々が新規に開発したディッピング法、改良型熱分解法にてTiプレートへのコーティングを行った。コーティングプレートの物性試験は、走査型電子顕微鏡にて表面形態の観察、また、表面粗さはカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて測定した。コーティング層の確認として、X線回折により、結晶構造を確認した。マウス骨芽細胞培養株(MC3T3-E1)を用いて骨芽細胞分化能実験を行った。細胞形態は、CaTiO3-C、 HAコーティング、 Ti、プラスチックプレート上に細胞を播種し、1週後の細胞形態を走査型電子顕微鏡にて観察した。細胞接着試験は、1、3、24時間後、MTSアッセイにて評価し、CaTiO3-Cは、HAより接着能が高いことが示唆された。細胞増殖実験は、1,3,7日で細胞増殖能をMTSアッセイにて評価し、プラスチック>Ti>CaTiO3-C>HAの順で細胞増殖が減少したことが示唆された。細胞分化能実験は、3,7,14,21日でALP活性測定によって評価し、 TiとCaTiO3-Cは、同様の高いALP活性を示した。以上の結果より、新規生体材料CaTiO3-Cは、今まで用いられてきたHAより細胞増殖能、細胞接着能、細胞分化能において優れた材料であると考えられる。
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Research Products
(4 results)